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lyrics
夢の背中
その青い鳥は、空を飛ぶのが好きで
その大きな樹は、この豊かな森が好きで
その黒いカラスは、たまごを守り温めております。
真っ赤に燃える太陽は、すべてにエネルギーを与え
冷たく光る満月は、そのまあるい瞳でただそれらを黙って見ておりました。
姿なき声は、時折胸に響いてくるのです。
「そこから眺めているのが一番きれい。」
はらぺこで目を覚ますとそこは森の中。喜びと驚きのさえずりが反射する音を聞いた。
ここがどこだかわからないが、音がこだまする広い世界の小川のほとりで、ほっと一息ついた空色の小鳥。
せせらぎで喉を潤すとさらに空腹が増す。はるか上空では眼光がえものにくっつくカラス。
早速食べ物を求めて羽ばたいた空色の翼と、それはまるで太陽の色をした目玉のまなざしは、やはり太陽のあったかい輝きを身体に存分に受けて大地に沿う太く根ざした大木を目指した。
「見る限りこの辺で一番立派な木。
木の周りの虫は泣きっぱなし。
枝には木の実がいっぱいだし、
おいしそうだ。
どれどれ、一回味見。」
生い茂る葉っぱをくぐりさっと羽を懐にしまう。空から見える地球の輪郭みたく枝はしなやかにしなる。
目の前に一番いい匂いのを見つけた、金色の味をくちばしでついばむと口いっぱいにはじけていく。
この世界で初めてありつけた果実をかじる。
その禁じられることのない禁断の味付けは、もしこれが人間の世界なら数千年後の子孫は何かと真面目に真に受けたばかりに十字架に磔だ。
それでもそんなことには小鳥はさしずめお構いなし。それよりおかわりが欲しいって。
「さぁおあがり。」と枝を揺らす風が揺らぐと大木は唄う。
あなたのいとしてないところ
あたしはいとおしくてしょうがないの
ことりよ、たくさんおたべ
あたしのこどもたちをとおくへはこんでおくれ
あたしにおくれ
なんねんついやして
まいとしことりは
このみをついばんで
どこともしらない
ところでめをだすの
おともたてずに
あたしのこどもたち
このもりにたったいちずなあたしのこどもたちのいちぶはこのもりになるの
このもりのたったいちぶのあたしのこどもたちもいちずにこのもりになるの
あなたのいとしてないところ
それでもそんなことには小鳥はさしずめお構いなし。
おなかいっぱいなるともう眠くなったようで、西に傾いた夕陽色に染まる赤い目を青い羽根で擦りウトウトすると、とうとうまどろみを泳ぐ睡魔に捕まり遠退いていくついさっき。
再び現れる夢とは果たして幻なのか。
夢は何の前触れもなくあたかも当たり前にずっとそこにあったかのように現れる。
太陽のあったかい輝きは小さな窓枠の向こう。
鳥かごに取り囲まれた囚われの青い鳥の赤い目に映る冷えた金網で区切られた四角い空はそれでもこんなに青いのに。
皮肉なこの身の空色の翼で飛び立てない辛さは差し込む斜光をより明るく見せる。
見上げる小さな四角い空は涙色。
「こんなにも空を自由に飛びたいのに、窓の向こうの広い世界が見たいよう。」
と、太陽色の目に涙を浮かべて泣いていると、どこからともなく声が響いた。
「夢を見るのは自由だけど、あまりにも切ない。窓の向こう?それはもう、悲しい夢の世界。」
「一体誰だい?いいかい、僕は幸せの青い鳥。ほらみろよ、空色の翼が証。
この羽ばたきは風となり空へと到達する翼と同化するオルガスムスを全身で謳歌する
姿を傍観する千切れ雲が黄褐色に染まる西へとフォーカスする眼差しと地平へと放火する夕日の輝きとが交差すると
眩しく瞬いた赤い目玉は確かに向こう側の楽園を見たんだ。悲しい夢だなんて嘘っぱちさ。」
すると、姿なき声はつまらなき声で、
「それはただ全てを見ていないだけ。大きすぎる自由の前にはお前の小さな体じゃあ生きても行けない。さぁすぐにお帰りなさい。」
「それなら未来に帰る場所を探しに行くんだ。僕が帰る場所はあの窓の向こう。」
と声を荒げてはっと目を覚ますといつもの森の中。既に辺りは暗く空には大きな満月が三つ。
あら?と寝ぼけ眼をこすって見ても確かに三つ。そのうち二つが並んでみるみる大きくなる。
あっと気づいたときにはもう遅く、それは全身夜色のカラスの目玉。
月より鋭く僕を睨む。闇より黒く光る大きなくちばしはぬるりと風を切って僕の目を潰す。
走る激痛に気も遠くなり、何もできずに恐怖に身も凍るばかり。光を失ったカラス色の世界。
そのうちに痛みも恐怖も感じなくなると、、、
太陽を潰された小さな青空。
月の眼光に身動きも取れず、
闇より黒いくちばしにもたげ、
夜色の体に飲まれ、
生きたまま溶けて生き絶えたのです。
「かごめやかごめ。
憎らしや、籠め。」
籠の中の鳥は呟く夜明けの晩に。
「かごめやかごめ。
ありがたろう、加護め。」
加護の中の鳥に呟く夜明けの番人。
夢は現実。
薄く目を開けると満月の柔らかい輝きは小さな窓枠の向こう。
鳥かごに取り囲まれた囚われの青い鳥の赤い目に映る冷えた金網で区切られた四角い星空は、それでもこんなにきれいなのに。
credits
from
DIO,
released April 23, 2014
Lyrics by 豆尖
Track produced by *+Ω+* -ohm- ( LOW HIGH WHO? )
license
all rights reserved